【第3回】ふわッ、かりッ、じわッ、華やかに溶け込む至福の味わい

羽二重餅<黒蜜クリーム入りくるみ> × 紅茶<セイロン>

【第3回】ふわッ、かりッ、じわッ、華やかに溶け込む至福の味わい

紅茶にはさまざまな種類がありますが、基本的には産地で分類されています。その中で、私たちがもっとも紅茶らしい味わいだと感じ、よく口にしている紅茶が、「セイロン紅茶」。「セイロン」とは、スリランカの独立前の国の名前で、紅茶の種類としては現在でも旧国名で表現されています。

スリランカは、インド南方にある小さな島国。北海道よりも少し小さく、九州より少し大きい国土面積で、島の形から「インド洋に落ちた涙」とか、「インド洋に浮かぶ真珠」などと称されることもある美しい島です。

スリランカというと紅茶で有名な国ですが、実は紅茶栽培以前はコーヒー栽培で有名でした。今から150年近く前のことです。しかし、コーヒーの木が枯れてしまうサビ病によりコーヒー園は全滅。これに代わり紅茶が栽培されるようになりました。そして、来年2017年でスリランカの紅茶ビジネスは150年を迎えることとなります。

小さな島の中で、標高差により紅茶の味わいの特徴が分類されているのも、スリランカ紅茶の面白いところです。特に、1200メートル以上の高地では昼夜の寒暖の差が激しく、これにより香味豊かな紅茶が作られます。標高差で産地もいくつかに分かれていますが、私たちが手にしやすい紅茶は「セイロン」という名前で飲みやすくブレンドされているものがポピュラー。いれ方によって、ストレート、ミルク、レモン、アイスなど、さまざまな楽しみ方ができるのもセイロンティーの大きな魅力です。

そんなセイロンティーのストレートティーを用意したら、ここに合わせたい羽二重餅は、「黒蜜クリーム入りくるみ羽二重餅」。羽二重餅の持ち味であるふわっとした食感はもちろんのこと、くるみのカリッとした歯ざわりを感じたかと思うと、黒蜜がじわ~っと舌を包み込むように広がる味わいは、じつに芸術的です。これらのいくつかの食感と味わいを、まとめあげる役割は、やはりセイロンティーが最適。香り、渋み、甘み、喉ごしのバランスが取れたセイロン紅茶とともに味わうと、この羽二重餅の持ち味が、さらに深みを持って心に染みていくのを感じることでしょう。

【第3回】ふわッ、かりッ、じわッ、華やかに溶け込む至福の味わい

紅茶に和菓子・・・というと、どんな食器を用意すればいいか悩むかもしれません。そんなときは気軽にマグカップで味わってみてはいかがでしょうか。大きめのマグカップに紅茶をたっぷり入れ、羽二重餅と一緒に楽しむティータイムは、至福のひとときをより身近にしてくれるはずです。ゴージャスなティーセットで楽しむティータイムも素敵ですが、いつも使っている身近な食器を、こういう時間にこそ用意してみましょう。普段使いの食器が、より輝きを増して、しあわせ時間はとても近くにあるということさりげなく教えてくれます。

斉藤由美(英国紅茶研究家/ライター)

斉藤由美(英国紅茶研究家/ライター)

日本紅茶協会認定ティーインストラクター、ティーアドバイザー。

大学卒業後、ブルックボンド紅茶に勤務。その後、ユニリーバでリプトン紅茶のPRを担当、20年以上にわたり紅茶メーカー勤務の経験を持つ。

これまで多数の紅茶セミナー、講演、テレビ出演、ラジオ出演、雑誌、新聞などでも活躍。現在は秋田県大館市の自宅で紅茶レッスン「イギリス時間、紅茶時間」を主宰するほか、秋田カルチャースクール、ヨークカルチャーセンター弘前で英国紅茶講座を担当している。

主なテレビ出演:「ためしてガッテン」(NHK)、「王様のブランチ」(TBS)他。四冊目の著書「しあわせ紅茶時間」(日本文芸社)を2015年10月に出版、好評発売中。

秋田県大館市在住。


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 生クリーム入り抹茶羽二重餅3個、いちごクリーム入り羽二重餅2個、えだまめ羽二重餅2個、黒蜜クリーム入りくるみ羽二重餅2個、季節の羽二重餅3個を詰め合わせました。お世話になったあの方や、職場など、さまざまなシーンで活躍するギフトです。