【第6回】上品な味わいが、紅茶と溶けあうときめきのティータイム

羽二重餅<ブルーベリー> × 紅茶<ニルギリ>

フルーツを使ったお菓子はたくさんありますが、和菓子にフルーツというのは、ちょっと意外で斬新な感じもします。しかも、お餅を使った和菓子にブルーベリー。まったく味わいの想像がつかなかったのですが、合わせる紅茶だけは食べる前から決めていました。

【第6回】上品な味わいが、紅茶と溶けあうときめきのティータイム

「ニルギリ(Nilgiris)」は、南インドで生産される紅茶です。「ニル」は現地の言葉で「青い」、「ギリ」は「山」を意味し、紅茶のブルーマウンテンとも呼ばれています。インドは、世界一紅茶の生産量が多い国ですが、その中でも有名なのは「ダージリン」や「アッサム」。これらは北東インドにある産地で、香り高いダージリン、コクのあるアッサム、どちらも個性的な味わいを持っています。これに対しニルギリは、強い個性ではなく、やわらかくやさしい味わいで、食べ物との相性もじつに幅広く楽しむことができる紅茶です。インド国内の紅茶産地を大きく分けたとき、北インドは個性的な紅茶、南インドはクセのない紅茶を産出すると言えるかもしれません。

逆三角形の形をしているインドのちょうど南側の中央に走るガーツ山脈の周辺にあるのが、ニルギリです。地図で見たときに、地形的にスリランカに近いこともあり、スリランカ産紅茶の味わいとの共通点を感じます。クセがなく穏やかでやさしい味わいを持ちながらも、ふわ~っと広がる華やかな香り。しかし、スリランカ紅茶の持つ爽快な渋味はあまり感じられないので、飲みやすさという点がニルギリの味を一度経験すると飲み続けたいという人が多い理由かもしれません。

華やかな香り、やさしい味わい、渋味のない穏やかさは、あらゆる食材と相性がいいので、さまざまな食べ物が並ぶティータイムの紅茶選びに迷ったら、このニルギリを選択するとよいでしょう。とりわけフルーツを使った食べ物の場合、やさしい味わいがフルーツのもつみずみずしい味わい、酸味と甘みを、ニルギリ紅茶がふわっとやさしく包み込んで、口の中にときめきに似た味わいの融合を繰り広げてくれます。

【第6回】上品な味わいが、紅茶と溶けあうときめきのティータイム

さて、冒頭で紹介したブルーベリーの羽二重餅は、「季節の羽二重餅」として期間限定で取扱っているもの。前回、えだまめの羽二重餅を紹介した際に、秋田県大館市はえだまめの町としても有名と述べましたが、実はブルーベリーの栽培も盛んです。

ブルーベリー色のやわらかな餅の中には、うっすらと上品な甘みの餡と、舌の上にふわりととろけるクリーム。紅茶と一緒に味わうと、それぞれの良さが折り重なるように広がっていきます。これだから、ティータイムって素敵! 紅茶とお菓子の相性がもたらす至福の味わいが、口の中だけではなく、心に染み渡っていく時間を、ぜひ暮らしの中で大切にしたいものです。

冷凍状態で販売し、食べる数時間前に冷凍庫から冷蔵庫に移して解凍されたものを食べる羽二重餅ですが、暑い季節にはまだ冷凍状態にあるものを食べるのも、食感と冷たさを楽しむことができお勧めです。

【第6回】上品な味わいが、紅茶と溶けあうときめきのティータイム

深く高貴な色合いのブルーベリー色をまとった羽二重餅は、かわいらしさとともに気品ある姿で、ティータイムを華やかに彩ります。

斉藤由美(英国紅茶研究家/ライター)

斉藤由美(英国紅茶研究家/ライター)

日本紅茶協会認定ティーインストラクター、ティーアドバイザー。

大学卒業後、ブルックボンド紅茶に勤務。その後、ユニリーバでリプトン紅茶のPRを担当、20年以上にわたり紅茶メーカー勤務の経験を持つ。

これまで多数の紅茶セミナー、講演、テレビ出演、ラジオ出演、雑誌、新聞などでも活躍。現在は秋田県大館市の自宅で紅茶レッスン「イギリス時間、紅茶時間」を主宰するほか、秋田カルチャースクール、ヨークカルチャーセンター弘前で英国紅茶講座を担当している。

主なテレビ出演:「ためしてガッテン」(NHK)、「王様のブランチ」(TBS)他。四冊目の著書「しあわせ紅茶時間」(日本文芸社)を2015年10月に出版、好評発売中。

秋田県大館市在住。


羽二重餅ギフト12個入りのご紹介

生クリーム入り抹茶羽二重餅3個、いちごクリーム入り羽二重餅2個、えだまめ羽二重餅2個、黒蜜クリーム入りくるみ羽二重餅2個、季節の羽二重餅3個を詰め合わせました。お世話になったあの方や、職場など、さまざまなシーンで活躍するギフトです。