山田桂月堂 羽二重旦那の自己紹介6

東京タワー

高校在学中、進路の事は真剣には考えていませんでした。ただ菓子屋を継ぐのは気が向かない、高3になりどうしようと考えていると案の定、父から菓子屋を継げ、と言われます。

どうせどっかの菓子屋で修行しろと言われるんだろうな、と考えていると以外にもお菓子の専門学校(2年制)に行かないかと勧められます。しかも場所は東京、当時は東京を舞台にしたトレンディードラマ全盛、東京に住みたい一心で日本菓子専門学校行きを決意、試験も作文を提出だけだったので、無事入学します。

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花の都大東京 そしてクリーム大福との出逢い ♪

入学するとすぐに実技、それなりに楽しいのですが何せここは東京です、魔物が住んでおります。次第に学校からあしが遠のくことに・・・ 1年目はバイト、遊び、バイト、遊び、たまに学校という日々でした。父も学校に呼び出され、遥々秋田から来た事もありました。2年の夏休み明けくらいには退学寸前(欠席が多いと退学)になり、そこから真面目に学校に通い始めます。菓子作りの授業自体は嫌いでは無かったので結構楽しく過ごします。次第に東京の菓子店にも興味が芽生え休みの日などに菓子屋巡りを始めることに、自分の中では苺大福が和菓子界の最後の革命的商品と決めつけておりました。  が・・・出逢ってしまったのです、革命的和菓子、クリーム大福に・・・大福に生クリームが入っている、嘘だろ、食べてみると美味しい、いやいやそんな単純な表現では言い表せないくらいの感動そして衝撃でした。こんな人を感動させる様なお菓子をいつの日か作りたい、そんな事を強く感じた瞬間でした。

そして卒業後の進路もそろそろ決めなければいけない時期になります、和菓子処の京都か金沢に行きたいと考えた私はたまたまのご縁があり、金沢の菓子店に就職する事になります。いよいよ本格的な修行の始まりです。何処に行っても回り道だらけの私ですが、全ての出来事が今の自分、そしてこれからの自分の人生にとって掛け替えの無い物だと感じるこの頃です。

〈つづく〉


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