今日の羽二重旦那の日記も山田桂月堂の100年以上続く、明けがら寿の紹介です、本日もよろしくお付き合い願います。
型に流すタイミングが非常に難しい明けがら寿です。
この写真は白くなるまでまぜた後、くるみを入れて数分後のものです、くるみが浮いてきているのがわかりますかね?
明けがら寿は流し物(型に流して固める物)なので、流すタイミングが非常に重要です。同じ流し物で錦玉(寒天と砂糖を煮詰めた物)の流し合わせよりも難しいと私は感じます。
錦玉の流し合わせは、半分錦玉を型に流し、半留まりと呼ばれる、固まりかけの状態で模様になるものなどをおき、その後錦玉を流して完成させるという難易度の高い物ですが、職人技を要する錦玉の流し合わせよりも明けがら寿を流すタイミングの見極めの方が羽二重旦那にとっては難題です。
くるみの模様が明け方のカラスを想わせるためなので、まんべんなく散りばめられなければいけないからです。
秒単位の見極めが出来てこそ!!
秒単位で型に流すタイミングを見極め、少しずつ型に流していって、流し終わったころが固まりかけ(半留まり)の状態となるようにします。
このタイミングも気温や湿度によって変わってきます、やはり100年以上の伝統の明けがら寿は経験が必要なのです。
原材料が砂糖、寒天、くるみのみと、とてもシンプルなものですが、単純な物にこそ和菓子の奥の深さがある、そう感じる山田桂月堂の羽二重旦那でした。
あわせて、